無色的紅色

中文系だった。中国語関係。

【中検面接】準1級2次体験談

2016年度第3回の中検準1級2次試験の体験談です。 


25-18-23-20の合計86点で合格しました。

 

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グダグダな即興スピーチが23点あるのに驚きです。訳よりスピーチの方が点数高い非留学経験者……

 

訳は案の定よろしくないです。

中国語力そのものよりも、意外と日本語が言えない・聞き逃すことに苦しめられました。

対策

1週間ほど前からほぼ即興スピーチだけしました。
お題が提示されて1分で考え2分以内でスピーチという試験形態は、英検1級2次の形式を参考にしたものである可能性があります。

 

準1級の合格体験記を回って手に入れた過去問と、HSK口試の初級を片っ端からやりました。

 

中国語検定 HSK 公式 過去問集 口試 2013年度版 改訂版 [音声DL付]

中国語検定 HSK 公式 過去問集 口試 2013年度版 改訂版 [音声DL付]

 

  

中国語能力認定試験 新HSK公式過去問題集 口試 [2013年度版]

中国語能力認定試験 新HSK公式過去問題集 口試 [2013年度版]

 

 どちらも2013年度版のようですが、収録されている問題は異なります。


タイマーを3分に設定して本番の試験通りの時間で練習しました。

2分という時間もずっと喋っていると長く感じますが、詰まったり噛んでたりするとすぐに過ぎるのが分かります。とにかく最初は本当に言うことが何も出てきませんでした。スピーチの構造について勉強しつつ、回数を積むのみです。


1回練習したテーマでも、後になって別に何か言うことを思いついた時はもう1回やりました。
約2周して、何となく1分半前後稼げるようになりました(本番では70秒ほどだったと思いますが)。語彙の少なさは諦めました。1週間でどうにか出来る問題ではないと判断し、スピーキングという行為そのものに慣れることに注力しました。

訳の対策はやるつもりだったのですが結局諦めました。日→中で音声が入っている教材を持っているので、初見の文でなくても良いので練習すればよかったです。


大体こんな状態で本番に行きました。本番の様子は下をご覧ください。

 

試験前

 

2017/3/26に1次試験、4/13に合否発表、2次受験票が来たのは17日。受験票は1次の点数発表とは別に来ます。封筒に入っています。

会場は東京市ヶ谷。貸会議室ですが、やけにピカピカしていて高級感が漂っています。雰囲気負けしてしまいそうでした。



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1次合格者65人中、この会場に来たのは10人。大部分が社会人3年目ぐらいまでの方でした。中国の方もいらっしゃいました。

 

待合室では中国語関係の本を読んでいる人は誰一人おらず、スマホをいじっている人が多かったです。持ってきた本が読みづらい雰囲気で、中国語ラジオを聴いたりtwitterに入り浸って過ごしました。緊張で口が渇いて本番で上手く言葉が発せなくなるのも嫌なので、水分補給をこまめにしていました。

 

面接室は2つ。会場によっては3つの場所もあるようですね。

11時ちょうどから、誘導係の方が機械的な声で2人の名前を呼びます。これから処刑台にでも連れて行かれるのかという気持ちでいました。受付の順番と呼ばれる順番は違いました。英検みたいに先着順というわけではないんですね。

 

試験中

 

面接室に入る前にドアをノックします。男性の面接官に请进と言われて入室。面接官は2人なのに你好と言ってしまいました、你们好ですね……

 

面接官は中国人2人で、50代ほど?の男性と60代?の女性。男性が中国語担当で女性が日本語担当。「バッグを後ろの机に置いて受験票を出してください」と男性に中国語で言われます。

 

中国語はスロースピードという情報が優勢でしたが、私の時はかなり容赦なかったです。HSK6級以上中国ラジオ以下ぐらい。

 

受験票を出すと、请坐と言われ着席。名前と受験番号を日本語で言います。

その後採点対象外の中国語自己紹介と、中国語フリートーク1問。

 

以下、中国語の会話を大体の日本語で再現します。私は言い間違い文法ミスは大量にあったはずで、こんなしっかりした文体では喋ってないと思います。

 

「大学入る前から中国語やってましたか」

「中1から中3までやってました。完全に興味からです」

「授業じゃなくて完全に興味から!NHKのラジオとかですか?」

「そうです」

 

以下採点対象内。

 

フリートーク(大問1)

「旅行のこと聞きますね。前から中国語やっててしかも中国語専攻ということは、やっぱり中国行ったことはあるんですか?」

 

「無いんですよ実は」

 

「他にはどこに行きますか?」

 

「まだ海外出たことがないので……日本国内だと九州の長崎、福岡、あと京都奈良とかですね」

 

 

「友達のことについて聞きます。よく友達と遊びに行きますか?」

 

「はい、よく友達と遊びに行ってます」

 

「その中に中国人はいますか?」

 

「網友ならいるんですけどね……リアルではいません」

 

「ネット上ではいるけど実際に会う人はいないんですね笑 網友とは何で話してるんですか?手紙か、それとも?」

 

SNSでチャットです」

 

「何語で話してます?」

 

「主に中国語です」

 

 

翻訳問題(大問2-3)

ちょっと記憶が怪しいです。

 

  • 中→日

真没想到他这么早就来了

 

不管我们做了很大的让步,但对方还是不满意

2問目で、言っていることはわかるものの日本語に詰まりました。

 

  • 日→中

1問目失念

 

彼は大学を卒業したが、まだ仕事を探そうとしない(見つかってない?)

2問目は後半を聞き逃しました。「見つかってない」のほうで解答したのですが、減点されたと思います。

 

ショートスピーチ(大問4)

 

女性面接官に别紧张啊と言われました。

 

テーマは「1.我的一天」「2.我喜欢的音乐」「3.我和图书馆」。那我就选我喜欢的音乐吧とか言ってから何を言うか考えます。

 

しかし選んだ直後の準備時間で後悔しました。形容詞の語彙が乏しいので、音楽がどのようであり、それを聴いてどのような気持ちになるかという具体的な描写が困難だということに気づきました。

 

結果メモれた内容は

・クラシック好き、クラシックの好きな作曲家

・合唱やってる

ぐらいだったと思います。有効なメモではないですね……

 

合唱をやっていて、それが主にクラシックだというのはそもそも最初の自己紹介で

言ってしまっていましたが、時間稼ぎのためにここでももう1回言いました。その自己紹介を補足する形で

・合唱人として舞台に上がるときの気持ち

・中高の合唱部では主に日本語合唱曲を歌っていたこと

・最近歌っている中国語曲は蔡依林、姚貝娜だということ

を言った辺りでネタが尽き、かつ1分経過の紙が上がっていたので、就这样と言って切りました。

 

どう考えても「我喜欢的音乐」というより「我和音乐」です本当にありがとうございました。

もう開き直って「音楽から離れなければいいだろwww」と思っていました。

 

後から考えて、私の語彙でも「我喜欢旋律优美的歌」とか「她们的歌很能激发出我做事时的干劲」(ただこの文、おかしい気はしますが……)だの、適当でも何か言いようがあったと感じます。書けても言えないということを嫌というほど思い知らされました。でもこれは日本語で喋ってても同じですね。「あの時ああ言えば良かった~~~」と一人反省会するあの現象です。

 

フルセンテンスではない文、文法ミス、还有那个…就是…みたいなフィラーを無駄に連発する、俗語の類を言ってしまう……などは当たり前です。話が途切れないことに全力を注ぎましたが、それでもそのような症状が出てしまいます。

 

スピーキングは本当に修行が足りないですね。しかし日本語ですら喋るの不得意なのに外国語は言わずもがなという所があり、4技能の中では捨て所なのかなとも思ったり。まず母語でも言葉を2分間発し続けるのはレベル高いです。

 

スピーチのあとには思わぬフリートークがありました。

男「京劇知ってますよね?(音楽としては)ちょっと特殊ですけど。聴いたことはありますか?」

私「いえ、まだ聞いたことないんですよ。京劇の映画なら授業で見たことありますけど」

 

試験終了。これからも頑張ってくださいと言われて、受付に会釈して試験場をあとにします。

 

試験後の感想

設問は2次導入当初より確実に難化していると感じました。

面接官の中国語のスピードが容赦ないこと、翻訳問題の大部分が複文への対応を求められることなど。

採点対象外のトークも自分の第一印象を決めることになるので、蔑ろにはできません。

 

ちょっと古めの受験体験記をそのまま難易度の参考にすると、本番でびっくりします。

 

中学の時に中国語を独学→中文専攻 という経歴でありながら、2017年4月当時中国や中国人との直接の関わりが薄いのは、学習歴としてやはり奇特な部類のようです。

その点が逆に面接官の興味を引いた印象でした。 

【留学なし】中検準1級1次合格(2016年度)

だいぶ前ですが、中検準1級に留学経験なしで合格しましたよという話。 

2016年度第3回です。

 

留学経験が必要と言われがちな準1級ですが、要するに語彙力勝負の世界なのであまり関係ないよと言いたいです。

中訳問題は、自然な訳出のためにどれだけ多読したかも勝負です。

 

 

点数

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この記事は1次の対策について書きますが、点数は1,2次ともに公開しておきます。

 

リスニングの大問1は40点取れた気がしていませんでした。1問目も2問目も理解度はいまいちで、もう2問落としてもおかしくなかったです。偶然に助けられました。

 

何もやっていない和訳が、恐らく少爷公主の訳しか引かれていないのが驚きです。和訳の授業が厳しかったので鍛えられていたのでしょうか?


今受けても受かるか怪しいです。

過去問解いてても客観式問題に関しては75%安定していませんでしたし。

 

試験対策

1次試験は2017年3月26日。2016年9月に対策を始めました。

 

大学受験の英語のおかげで、自分がどのくらいの期間でどのくらいの成果を出せるか検討がついていたこと、英語学習サイトを回ってどのくらいの勉強時間でどのくらいの成果を出している人がいるかを見ていたことが、対策を早く始めた要因です。

 

真面目に対策したのは筆記の大問2,3,5だけです。1は対策しようがありませんし、和訳は優先度が低かったです。
リスニングは買った過去問11回分のみ解いて終わりでした。音読などはしていません。

 

リスニング対策

中検のリスニングに関しては、リスニングの体をした語彙力試験だと思っています。
大問2のディクテーションでは露骨に成語や文章語的表現を狙ってきます。
大問1ではまだ情報処理能力が問われるかもしれませんが、キーになる語について本文と選択肢で言い換えがされることがあるので、語彙力はこっちでも重要でしょう。

 

よって、リスニングの対策は中検のナレーターに耳を慣らすのと、メモの取り方を練習するのと、ディクテーション問題に手を慣らす以上の意味合いはありませんでした。ディクテーション自体はそこまで言うほど難しくないと思いました。


筆記の大問2,3の対策をすれば、リスニングの点数もある程度一緒についてくると思います。

 

過去問を解く際には、スピーカーから再生し、またwalkmanに取り込む際音源の音質は最低(32kbps)にしていました。本番の音声は聞き取りづらいのでなるべく環境を近づけようとしましたが、本番には敵いませんでした。

 

筆記対策

『ネイティブがよく使う中国語表現』(語研)
を試験までに13周しました。
しかし500語しか載っていない上、日本人なら字面から意味が分かってしまうものも多く載っています。こういうものは大問2,3では出にくいため、試験対策のことだけ考えるならばやや不足ですし、無駄も多いかなと思いました。

 

ネイティブがよく使う中国語表現 (<テキスト>)

ネイティブがよく使う中国語表現 (<テキスト>)

 

 

ネイティブがよく使う中国語表現

ネイティブがよく使う中国語表現

 

 

CD版 ネイティブがよく使う中国語表現 (<CD>)

CD版 ネイティブがよく使う中国語表現 ()

 

私は改定前を使いました。理由は簡単、bookoffで200円で売ってたからです。

 

以下使わなかったもの。

 

定番キクタン。単語帳は嫌いですし、『ネイティブがよく使う中国語表現』や過去問もあったので手は出しませんでした。

上級編は周回しようとするとかなりの分量です。ただ生の中国語読んでるとよく出てくる単語が多いです。なんだかんだ重要ですが、多読でどうにかなりそうな感じでもありました。

キクタン中国語【上級編】中検準1級レベル

キクタン中国語【上級編】中検準1級レベル

 

 

 

定番キクタン2冊目。

ここに乗っているのも出題されたりします。『ネイティブがよく使う中国語表現』とはお好みで。

キクタン中国語【慣用句編】中級レベル

キクタン中国語【慣用句編】中級レベル

 

 

 

過去問が多く手に入らない環境ならば以下をやることになると思います。

辞書みたいです。私は過去問で手一杯なのと、分厚い参考書を終わらせた試しがないのでやりませんでした。

 
合格奪取! 中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編

合格奪取! 中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編

 

 

11月下旬からは、過去問を和訳以外片っ端からやりました。

何故11月下旬からかは後述します。


試験対策においては、たとえ途中で形式が変わろうが模試が過去問に勝ることは無い(古い過去問>最新の模試)という信条があるので、過去問を偏執狂のようにやりました。


第70-75回、第82-87回の過去問は自分で買った他、大学に第46回からの古い過去問が置いてあったので、問題形式や難易度の違いは気にせず借りて第90回までの全ての回をやりました。

1級の一部の回にも手を出しました。


もっとも、過去問が無ければ赤いトレーニングブックをやったかもしれません。しかし過去問が手に入る環境下でトレーニングブックをやる余裕はとてもありませんでした。

 

大問2,3。
知らない設問の単語は片っ端からルーズリーフに書き付けて自作単語帳を作りました。重複も含め、合わせて延べ300語以上になりました。
問題の正解以外の単語は書きませんでした。本当は書いた方が良いのですが、書いたら書いたで単語帳が1000語を超え、覚えきれないのが見えていました。

 

単語帳の形式は
見出し語(必要ならピンイン)-和訳-例文(過去問の設問)
です。例文では見出し語の部分に線を引っ張りました。

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ちなみにこの単語帳を作る作業だけで2ヶ月掛かりました。面倒だと思う方、時間に余裕の無い方は素直に市販の参考書で覚えることを強く推奨します……

 

2月に第46回〜第90回までの全ての単語と一部1級の単語を収録し終えました。前半150語については13周しましたが、後半150語は確か2周しか出来なかったのであんまり覚えていません。語彙力に関してはこの状態で本番でした。

 

大問5に関しては、
大学では中国語作文の授業を取っていました。履修者が5人と少なく、教科書の問題を個人的に添削するという形式で進めていました。大学の授業が1月までなので、作文の授業を利用して添削を受け切りたいと思いました。

 

教科書を私は11月下旬に早々に終わらし、時間を持て余しました。そこで検定の添削をして頂こうと思い、過去問を急いで解き始めました。

最終的に約2ヶ月間で、第46回〜第90回の準1級はとある小問1問を除いて全て、1級も8割方添削して頂きました(感謝です)。間違えやすい文法事項が明らかになったり、先生が適切な成語を提示してくれたりして下さいました。
覚えたばかりの成語をドヤ顔で使ったら悉く赤を入れられるとかそういうことばかりでした。笑

 

当時の必修中国語の先生の一人が準1級の過去問の解説部分を書いている先生だったので、和訳の添削を頂ければベストだったのですが……和訳を解く時間は語彙力対策に持って行かれました。

【3500字】HSK6級合格記とその対策――合格後は何受ける?

HSKは2回受けたことがある。そのどちらも6級。

1-5級は知らない。

 

だって中検の方が安い。

正確に運用する力を測るという点は優秀だし。

 

2016年7月に1回目、2018年3月に2回目を受験した。

 

2016/7

中検2級を受けて4ヶ月後に1回目のHSK6級を受けた。

 

  • 点数

リスニング80 リーディング80 ライティング70

 

  • 使用参考書

中国で出版されてる過去問集1冊。ブックオフで500円で売ってたから買った。

HSK真?集(6?)(2014版)
 

日本で売ってる青い過去問集の2013年版と同じ問題。

違いは解説が全く無いこと。

 

過去問はあくまでも難易度の確認と問題慣れだ!語学力のそのものの強化は別でやるぞ!という人向け。

 

 

青い過去問集。

中国語検定 HSK 公式 過去問集 6級 (2013年度版) CD付

中国語検定 HSK 公式 過去問集 6級 (2013年度版) CD付

 

 

中国語検定HSK公式過去問集6級[2015年度版]音声DL付 (中国語検定HSK公式過去問集2015年度版)

中国語検定HSK公式過去問集6級[2015年度版]音声DL付 (中国語検定HSK公式過去問集2015年度版)

 

 

中国語検定HSK公式過去問集6級 2018年度版

中国語検定HSK公式過去問集6級 2018年度版

 

 

 

  • 感想

受験から2年以上経っててよく覚えていない。

 

試験官が中国人で、アナウンスが聞きやすかった。

HSKは中国政府教育部が主催だから、進行は当然中国語。

 

リスニングが第一部分から全然分からず、あーこれ50点あるか怪しいわwwwとか思ってた。

 

 

2018/3

  • 点数

リスニング80 リーディング87 ライティング92

 

・使用参考書

HSKの過去問題集2015年版

高い。中古で手に入るなら中古で良い。

中国語検定HSK公式過去問集6級[2015年度版]音声DL付 (中国語検定HSK公式過去問集2015年度版)

中国語検定HSK公式過去問集6級[2015年度版]音声DL付 (中国語検定HSK公式過去問集2015年度版)

 

 

ネットで拾ったサンプル問題や過去問

 

↓揚州大学の海外教育学院(3回分。音源なし)

http://coe.yzu.edu.cn/art/2015/7/8/art_40391_487016.html

 

↓汉语考试服务网のサンプル問題(1回分。音源あり)

tp://www.chinesetest.cn/godownload.do

 

リスニングの音源を探すのがちょっと大変。

どこかに5回分落ちてた気がするんだけど見つからない。

 

・勉強期間

18/2/27に過去問題集第3回をやったらしい(studyplusのログあり)

第1,2回もやったはずだがどこいった?

 

・試験勉強

過去問7回分のみ。

 

・当日の感想

16年7月と同様、リスニングが手ごたえ0。

「~でないものを選べ」という問題は難易度が高いと思う。

それが3題出題されていた。

 

リスニングでは正解でない選択肢が正解でない理由を探ってはならない。

正解でない理由は「間違っていることを言っているから」というよりは、ただ単に「本文中で言っていないから」と考えよう。

 

そこで正解でない理由を探ると、問題を繰り返し確認できないリスニングの性質上ドツボにはまる。

人によっては、最初に選んだ選択肢が正解だったのに間違った方に修正(?)してしまうこともあるだろう。

 

第3部分は文章全体の鍵となる単語が選択肢に書いてあったりする。先の3,4問を先読みできるのが理想。

 

読解は、病句は根拠をもって解けた方だと思うが、第2部分が7割かな……という感じ。後半は通常運転。強いて言えば第3部分はいつもより自信が無い。

 

時間配分は、第2~4部分を35分で解き、残り15分を第1部分に回した。

病句を真面目に考えるには、このぐらいの時間が必要。それでも高得点が難しいのが病句。

 

作文は最後まで心配だったが手応え的には最も自信があり、点数も高かった。

改行や段落の空欄を除いた実際の字数で460字以上、一番下の行まで書いた。

 

HSKの文章は最後のほうにキモが書いてある。

問題の閲覧時間では、1回本文を通読したら後半を超気合入れて覚えよう。

解答開始時間になったら解答用紙の裏なり空いてるところなりに大事なことを薄く簡潔にメモして忘れないようにする。

解答が終わったら消すのを忘れないように!

枠外には字を書くなと注意書きしてあるから、枠外に何か書くと減点が怖い。

 

解答時間は35分と長くない。

覚えてることを迷いなく片っ端から書き連ねないと、一番下の行まで到達するのは難しい。ペンを止めている暇はない。

 

全科目通して試験が2時間半で休憩0。中検と異なり、HSKは途中退室禁止でキツい。慌ただしい。

 

中検は訳出を熟考するのに時間を使う。

反対にHSK6級は、とにかく情報を処理するのに忙しい。

 

HSK対策

過去問はやるとやらないでは全然違う。

1冊分はやっておこう。

解いてみて合格ライン前後取れる人は、見直しもしなくて大丈夫。

中検よりも語彙力不足が痛手にならないから、

試験そのものの対策はこれだけでOK。

 

何らかの理由で、HSK6級取らなきゃいけないのに180いかない!って人はどう対策しようか。

 

リスニング50、リーディング70、ライティング60

 

を目安にすれば良いかな。

 

というのも、リスニングが一番対策しづらいから。

リーディングやライティングで文字として書かれる語彙が、リスニングでは音声で言われるわけで。

文字として書かれていれば意味の推測はつく場合が多いけど、音声だとなかなか厳しい。

語彙の増強を真面目に行わなければならなくなる。めんどい。

 

その点、リーディングとライティングは基礎的な語彙があればわりと解ける。

リーディングの第二部分は語彙問題じゃないかと言われそうだけど、

単語帳を使って語彙を増やさずとも、多読で作った語感で7-8割取れる。

 

ただ、多読も一朝一夕には効果が上がらないのが問題。

通勤通学とかの時間で、自分の興味あることを中国語でググってみて、

出てきた記事を読むとかはできるけど。

 

とするとすぐに効果が期待できるのはやはり本腰を入れた語彙増強。

でも過去問解いて6割行かない人には、

HSK6級の範囲5000語を覚えるのは勧めない。

多分その下の、中検2級あたりの語彙が入ってない可能性が高い。

手っ取り早いのはキクタンかなあ。

キクタン中国語【中級編】中検2級レベル

キクタン中国語【中級編】中検2級レベル

 

 

キクタン中級は中検2級を受ける際にも、

これでは足りないと言う声がある。

HSK6級を受けるときは、このぐらいが自分で使えればOK。

読めれば、ではない。使えればというのが大事。

音読を繰り返して例文ごと言えるようにしてしまおう。

例文1本覚えても自由自在には使えるようにならないかもしれないけど、

単語だけ覚えるよりはだいぶマシだから。

 

マークシート専用ノートを買って試験の雰囲気を作りつつ勉強するのも良い。

 

 

 

 

6級の次はHSK3.0?TOCFL?

現行HSK6級の上にさらに7〜9級の試験が創設されるというHSK3.0。22年3月から実施という。

しかし21年12月現在、情報が少なく、本当にスケジュール通り行われるのかも分からない。中国メディアを見ていると、政府は国内向けの漢語政策を先に行っているのだとも思う。

 

HSK6級は最上級と思えないほど易しい試験だ。

級が上がるほど難易度も合格ラインも上がる検定が多い中、HSK6級は下の級と同じく、6割のままである(厳密には合格ラインはないが、6割を合格と解釈する向きは根強い。通訳案内士など)

だから、HSK6級を引っ提げて何かしようとしても、何もできないと思うことが多くあるだろう。

 

HSK6級も中検準1級も揃えてしまい、中検1級は手が届かない。

そのような方には台湾華語のTOCFLがある。

TOCFLのBand Cという上級試験で最上級を取るのは中々難しい。合格ラインが非常に高いのである。

台湾華語は所々大陸と異なる点があり戸惑うが、語彙力増強としては良い。

挑戦してみてはどうだろう。

【院試体験記】中央/文学研究科/中文

中大・中国言語文化の修士院試。

読んでいただければ分かるが、私はここの学部出身で内部受験だった。現・当代文学分野はなかなか学習資料が乏しいので、外部受験の方は大変だろうと思う。

 

全研究科で、入試の結果が入学後の給付奨学金の選考に影響する。

志望度高い場合は頑張ろう。

 

勉強期間

1/29に試験だったのだが、本格的に対策を始めたのは12/12に卒論を提出した後。

1ヶ月あるかないか。

 

大問1の長い用語説明の対策に、中大対策の全ての時間を費やした。小論文と中国語はノー勉だった。

 

過去問は、6月に入試説明会ついでに手に入れていた。文学部全専攻ぶんある。けっこう重い。

 

どう勉強した?

筆記編

まず用語説明問題の小問を紙に書き出し、過去問以外に予想される用語もメモした。予想は過去問の語から連想される語と、授業レジュメで登場しているがまだ出題歴が無い語。朱徳熙という文法研究者が出題されてるから、呂叔湘も出るかな?という具合。
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大問1の12問は大きく分けて中国語学、古典文学、現代〜当代中国文学、現代中国史や上海文化、現代中国社会あたりといったところ。

ここから2分野選択すればOK。4問しか分からなくても、少なくとも残り1題は難度の低い問題があると思う。

 

国語学と現・当代中国文学を選択した。理由は簡単、概論科目を取っていたから。

レジュメやGoogleやその他文献に頼りながら、150-200字の模範解答を作成する。最初は丸暗記が苦手だという理由で、キーワードを模範解答の下に赤字でメモっていた。しかし意外とキーワードをまとめるだけでも馬鹿にならない時間がかかるので、途中からは模範解答のみの作成になった。

 

過去に出題歴のある用語に関しては、その旨もメモした。

 

ノートを作る作業が非常に時間がかかる。舐めてた。結局1ヶ月では間に合わなかった。

というのも、授業レジュメを見ても軽くググってみても情報が不足する場面が多かった。CiNiiやCNKIから論文を漁ったり、言語学辞典を見なければ充実した模範解答が中々書けない。レジュメとGoogleだけで済むなら1週間で終わったかもしれない。本当にキツい。

エクセルシオールとお友達になった。充電席があるから。


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ちなみに中国語に関しては、過去問を見ることしかやっていない。中検準1級に受かっていたので大丈夫と思っていたし、実際全然大丈夫だった。難易度は中検2級程度

学部の4年間で中検2級は欲しいですねと教授が仰っていたことがある。それに合わせているのだろう。

 

専門120分、外国語90分


・案の定内部進学が有利だけど、授業の外から出ることも。


・5行で用語説明する問題が関門。150字-200字程度と思うが、定義を述べるだけとか作品名述べるだけだと絶対1行以下で終わってしまう。


・この問題が分からなすぎて10分程度フリーズしてしまい、解き終わるのがギリギリだった。結果的になんとか字数は埋めたけど……


・その場の発想力を問う問題は無い。院試にしては高得点勝負の世界かな?学部入試も中大文は高得点勝負だよね。


・自分の意見述べよ問題(小論文)が出る。中大に限らず院試頻出。ちなみに慶應などの学部入試で使う小論文の参考書は微妙。卒論を一通り書き上げた人ならば、特に勉強しなくてもしっかりと書ける問題があるだろう。


・内部進学でも、卒論修論の指導教員が作問した問題が解けないとか普通にある。私もDを受けた先輩も指導教員の問題が解けなかった。


・春季入試は、卒論が近かったり計画書の作成もあり、意外と試験そのものの追い込みが利かない。


・外国語は問題用紙片面1枚しかない。90分も要らない。30分で終わって暇してた。


・自分以外全員留学生だった。入学してからもほぼ全員が留学生。

 

口頭試問編

対策はテンプレ質問に対する応答を考えたことぐらいかな。

 

・教授5人の1:5


自己紹介と志望理由は事務的質問らしい(内部受験なのに自己紹介言わされた)。


・学部と同専攻でも、卒論のテーマを別分野にする、担当教員を変えると当たり前ながら突っ込まれる。


・特に教授の専門分野との一致度が低いと、どの学問分野に属するかを細かく突っ込まれる。自分が何しようとしてるか把握が必要。


・計画書を出さない口頭試問では、事実上作成していない計画書を口頭で説明せねばならず、焦った。


・筆記の出来は聞かれなかった。しかし博士過程の口頭試問では質問されたようなので、口頭試問までに筆記の成績は見ているらしい。


・併願してるかは聞かれた。卒論の指導教官に把握されてるので正直に答えた。それでも全然受かる。


・dis役の教授からは基礎知識あるかどうか聞かれた。無かったわ。

 

・一橋勧められた。2人目だ。→落ちました。


・Yes/No疑問文で聞かれても理由までセットで言おう。


・中国語は大学入ってからやり始めたの?と聞かれた。合否関係無い系。


・喋るの苦手な人は壁に向かって練習した方が良い。用意したことが試験では意外と飛び、あとから「あ〜〜〜こういえば良かった〜〜〜」という現象に陥る。

【体験記】【2000字】一橋言語社会院試

本文は院試の結果が出てから1週間ほどで書いたもの。

本文の前に追記を書いておく。

 

追記21.12.8

筆者は21年7月にADHDと診断された。

秋季試験に不戦敗の件はADHDらしさが最も現れたエピソードだな……

何故か手帳を3週間遅く間違っているあたり。今思い出しても意味不明。

追記21.12.12

本文後半に出てくる「副査」について、M1の時に複数悪い評判を聞いた。

この副査を主査として出願した同期が、「研究計画書を『クソみたい』と言われた」と言っていたのが衝撃的だった。一橋院は全研究科で圧迫面接と聞いていたが、さすがにこれは言い過ぎではないかと思う。しかしあくまでも伝聞。

また、私がB4の時の指導教員は、私が「副査」を主査として出願しようとした時に「厳しい人です」と一言だけだったのも、今から考えると引っかかる……

気になる人は、「この教員は中大院の中文と併願する留学生が多い」をヒントにしてほしい。

 

~以下本文~

一橋秋季は不戦敗だった。

スケジュールに何故か出願書類の期限を3週間遅く書いていて、それに気づいたのが出願締切前日。一橋の出願締切は消印有効ではなく必着。10数時間で計画書を書いて一応出したが、間に合わなかった。

5月から筆記試験の過去問を集め始めて、7月に手書きのメモをwordに写し印刷するとかしたんだけどなー。

ちなみに一橋言社の過去問は言社事務室で閲覧できる。しかしコピー不可で、手書きで写すしかないので注意。面倒。

6時間程度では、必要な科目を3年分全部書き写せないと思う。早めの時間に事務室に向かおう。

 

ただ「これまでの学習内容」は秋季に書いた内容を春季に使い回せた。

 

一橋院の書類選考通った。でも受験番号続いてるから日本人はあんまり絞られてない様子。留学生枠と思われる番号は9個飛んでる所があって恐ろしい。

 

受験番号の一番最後が受かってるか不明だから適当だが、A(日本人?)が14/18、B(留学生?)が20/53、C(社会人?)が2/2。→36/73、倍率は2.1以上かな。

4000字指定の計画書で3153字しか書かず、1ヶ所明らかな不備があるのに通るもんです。絶対落ちたと思ってた。

 

ただ口頭試問で落とされた。

まあろくに答えられなかったから期待はしてなかったし、受かったら事故ぐらいに思ってた。計画書の内容を言わされる所でめっちゃ思い出しながら言ったこと、後半で主査が何も突っ込まなくなり副査のフォローばかりになったあたりでアウト感あった。あと口頭和訳しろという問題で解説してしまったのもマイナスだった可能性は大いにあり。

 

学部入試より悔しさは無い。「なぜこの私が受からない!?」感が無くて、「あ、落ちたわ」って感じ。落とされる原因もとても分かる。口頭試問で落とされるってことは、どっちにしろ秋季で受けてても2次で落ちてたってことで。

 

計画書だけで1次通る系のやつの1次合格は、「これツッコミ所あるけどまあ計画書としては掴めるから通そう、でツッコミ所答えられなければ落とそう」って感じなのかもしれない。結局口頭試問含めてもなんで1次通した?というのが拭えない……

 

卒論提出と同時に計画書の書き方の本を大学で2冊借りた。複数冊借りたのは著者によって自分の思考回路に合うか合わないかというのがあるから。

 

とりあえず一橋言語社会春季の試問の様子。

 

 

・9時に行って自分が何限か確認。


・時間遅かったらどっか店入って勉強しながら潰す。


・控室行く。


・荷物は試験室に持って行って、控室に戻らずそのまま帰る。


・試験順は受験番号順ではないので、1番じゃないからといって余裕ぶっこかないように。私は1限で不意打ちだった。効果は抜群だ。


・面接室が6ヶ所あり、最大6人が並行して面接してる。


・1限は9:30-10:20。


・制限時間50分だがそれより早く終わる場合もある、私は40分かからず終わった。


・面接と面接の間は15分。


・主査・副査の2人、1:2。


・机はくっついてなくて、正面で向き合う感じ。


・名前と受験番号だけ告げて、語学。


・音読してから口頭和訳。何行だったか数えるの忘れた。問題は一つだけだから選択権は無い。


・本文は計画書に沿った内容だったが、偶然かどうかは分からない。


・黙読の時間は1分と取れない。


・和訳は1文1文考えるのを待って頂けた。


・テンプレ質問は研究計画書の概要説明以外聞かれなかった。「口頭試問 院試」をググってそこに乗ってる質問を対策してもマジで無駄。自己紹介すらしない。併願してるかも聞かれない(死亡フラグかもしれなかったけど)。なぜ一橋なの?も聞かれない。


・計画書の不備も突っ込まれなかった。


・問題意識が明確でないことを延々とツッコまれた。


・基礎知識も聞かれなかった。副査は小論文を口頭試問にしたような形式で問題出してきたんだけど、誰が答え言えるんだろうか。


・圧迫で有名だけど、それを覚悟して臨んだせいか言うほど圧迫には思わなかった。


・「答えになってない」とか言われたけど、ごもっとも。なんなら学会の質疑応答で「答えになってない」が炸裂することもあるので、そんなもんかと。


・主査が計画書をdisる役、副査がややフォロー役だった。でも副査の問題むずい。


・副査が計画書に関してアドバイスくれた。