無色的紅色

中文系だった。中国語関係。

【中検面接】準1級2次体験談

2016年度第3回の中検準1級2次試験の体験談です。 


25-18-23-20の合計86点で合格しました。

 

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グダグダな即興スピーチが23点あるのに驚きです。訳よりスピーチの方が点数高い非留学経験者……

 

訳は案の定よろしくないです。

中国語力そのものよりも、意外と日本語が言えない・聞き逃すことに苦しめられました。

対策

1週間ほど前からほぼ即興スピーチだけしました。
お題が提示されて1分で考え2分以内でスピーチという試験形態は、英検1級2次の形式を参考にしたものである可能性があります。

 

準1級の合格体験記を回って手に入れた過去問と、HSK口試の初級を片っ端からやりました。

 

中国語検定 HSK 公式 過去問集 口試 2013年度版 改訂版 [音声DL付]

中国語検定 HSK 公式 過去問集 口試 2013年度版 改訂版 [音声DL付]

 

  

中国語能力認定試験 新HSK公式過去問題集 口試 [2013年度版]

中国語能力認定試験 新HSK公式過去問題集 口試 [2013年度版]

 

 どちらも2013年度版のようですが、収録されている問題は異なります。


タイマーを3分に設定して本番の試験通りの時間で練習しました。

2分という時間もずっと喋っていると長く感じますが、詰まったり噛んでたりするとすぐに過ぎるのが分かります。とにかく最初は本当に言うことが何も出てきませんでした。スピーチの構造について勉強しつつ、回数を積むのみです。


1回練習したテーマでも、後になって別に何か言うことを思いついた時はもう1回やりました。
約2周して、何となく1分半前後稼げるようになりました(本番では70秒ほどだったと思いますが)。語彙の少なさは諦めました。1週間でどうにか出来る問題ではないと判断し、スピーキングという行為そのものに慣れることに注力しました。

訳の対策はやるつもりだったのですが結局諦めました。日→中で音声が入っている教材を持っているので、初見の文でなくても良いので練習すればよかったです。


大体こんな状態で本番に行きました。本番の様子は下をご覧ください。

 

試験前

 

2017/3/26に1次試験、4/13に合否発表、2次受験票が来たのは17日。受験票は1次の点数発表とは別に来ます。封筒に入っています。

会場は東京市ヶ谷。貸会議室ですが、やけにピカピカしていて高級感が漂っています。雰囲気負けしてしまいそうでした。



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1次合格者65人中、この会場に来たのは10人。大部分が社会人3年目ぐらいまでの方でした。中国の方もいらっしゃいました。

 

待合室では中国語関係の本を読んでいる人は誰一人おらず、スマホをいじっている人が多かったです。持ってきた本が読みづらい雰囲気で、中国語ラジオを聴いたりtwitterに入り浸って過ごしました。緊張で口が渇いて本番で上手く言葉が発せなくなるのも嫌なので、水分補給をこまめにしていました。

 

面接室は2つ。会場によっては3つの場所もあるようですね。

11時ちょうどから、誘導係の方が機械的な声で2人の名前を呼びます。これから処刑台にでも連れて行かれるのかという気持ちでいました。受付の順番と呼ばれる順番は違いました。英検みたいに先着順というわけではないんですね。

 

試験中

 

面接室に入る前にドアをノックします。男性の面接官に请进と言われて入室。面接官は2人なのに你好と言ってしまいました、你们好ですね……

 

面接官は中国人2人で、50代ほど?の男性と60代?の女性。男性が中国語担当で女性が日本語担当。「バッグを後ろの机に置いて受験票を出してください」と男性に中国語で言われます。

 

中国語はスロースピードという情報が優勢でしたが、私の時はかなり容赦なかったです。HSK6級以上中国ラジオ以下ぐらい。

 

受験票を出すと、请坐と言われ着席。名前と受験番号を日本語で言います。

その後採点対象外の中国語自己紹介と、中国語フリートーク1問。

 

以下、中国語の会話を大体の日本語で再現します。私は言い間違い文法ミスは大量にあったはずで、こんなしっかりした文体では喋ってないと思います。

 

「大学入る前から中国語やってましたか」

「中1から中3までやってました。完全に興味からです」

「授業じゃなくて完全に興味から!NHKのラジオとかですか?」

「そうです」

 

以下採点対象内。

 

フリートーク(大問1)

「旅行のこと聞きますね。前から中国語やっててしかも中国語専攻ということは、やっぱり中国行ったことはあるんですか?」

 

「無いんですよ実は」

 

「他にはどこに行きますか?」

 

「まだ海外出たことがないので……日本国内だと九州の長崎、福岡、あと京都奈良とかですね」

 

 

「友達のことについて聞きます。よく友達と遊びに行きますか?」

 

「はい、よく友達と遊びに行ってます」

 

「その中に中国人はいますか?」

 

「網友ならいるんですけどね……リアルではいません」

 

「ネット上ではいるけど実際に会う人はいないんですね笑 網友とは何で話してるんですか?手紙か、それとも?」

 

SNSでチャットです」

 

「何語で話してます?」

 

「主に中国語です」

 

 

翻訳問題(大問2-3)

ちょっと記憶が怪しいです。

 

  • 中→日

真没想到他这么早就来了

 

不管我们做了很大的让步,但对方还是不满意

2問目で、言っていることはわかるものの日本語に詰まりました。

 

  • 日→中

1問目失念

 

彼は大学を卒業したが、まだ仕事を探そうとしない(見つかってない?)

2問目は後半を聞き逃しました。「見つかってない」のほうで解答したのですが、減点されたと思います。

 

ショートスピーチ(大問4)

 

女性面接官に别紧张啊と言われました。

 

テーマは「1.我的一天」「2.我喜欢的音乐」「3.我和图书馆」。那我就选我喜欢的音乐吧とか言ってから何を言うか考えます。

 

しかし選んだ直後の準備時間で後悔しました。形容詞の語彙が乏しいので、音楽がどのようであり、それを聴いてどのような気持ちになるかという具体的な描写が困難だということに気づきました。

 

結果メモれた内容は

・クラシック好き、クラシックの好きな作曲家

・合唱やってる

ぐらいだったと思います。有効なメモではないですね……

 

合唱をやっていて、それが主にクラシックだというのはそもそも最初の自己紹介で

言ってしまっていましたが、時間稼ぎのためにここでももう1回言いました。その自己紹介を補足する形で

・合唱人として舞台に上がるときの気持ち

・中高の合唱部では主に日本語合唱曲を歌っていたこと

・最近歌っている中国語曲は蔡依林、姚貝娜だということ

を言った辺りでネタが尽き、かつ1分経過の紙が上がっていたので、就这样と言って切りました。

 

どう考えても「我喜欢的音乐」というより「我和音乐」です本当にありがとうございました。

もう開き直って「音楽から離れなければいいだろwww」と思っていました。

 

後から考えて、私の語彙でも「我喜欢旋律优美的歌」とか「她们的歌很能激发出我做事时的干劲」(ただこの文、おかしい気はしますが……)だの、適当でも何か言いようがあったと感じます。書けても言えないということを嫌というほど思い知らされました。でもこれは日本語で喋ってても同じですね。「あの時ああ言えば良かった~~~」と一人反省会するあの現象です。

 

フルセンテンスではない文、文法ミス、还有那个…就是…みたいなフィラーを無駄に連発する、俗語の類を言ってしまう……などは当たり前です。話が途切れないことに全力を注ぎましたが、それでもそのような症状が出てしまいます。

 

スピーキングは本当に修行が足りないですね。しかし日本語ですら喋るの不得意なのに外国語は言わずもがなという所があり、4技能の中では捨て所なのかなとも思ったり。まず母語でも言葉を2分間発し続けるのはレベル高いです。

 

スピーチのあとには思わぬフリートークがありました。

男「京劇知ってますよね?(音楽としては)ちょっと特殊ですけど。聴いたことはありますか?」

私「いえ、まだ聞いたことないんですよ。京劇の映画なら授業で見たことありますけど」

 

試験終了。これからも頑張ってくださいと言われて、受付に会釈して試験場をあとにします。

 

試験後の感想

設問は2次導入当初より確実に難化していると感じました。

面接官の中国語のスピードが容赦ないこと、翻訳問題の大部分が複文への対応を求められることなど。

採点対象外のトークも自分の第一印象を決めることになるので、蔑ろにはできません。

 

ちょっと古めの受験体験記をそのまま難易度の参考にすると、本番でびっくりします。

 

中学の時に中国語を独学→中文専攻 という経歴でありながら、2017年4月当時中国や中国人との直接の関わりが薄いのは、学習歴としてやはり奇特な部類のようです。

その点が逆に面接官の興味を引いた印象でした。